似た美しい出来事

 私は、なんて言うんでしょう…。
 下手くそながらにも小説を書いたり、音楽を作ったりしています。
 まあ、いずれも、一見ノンフィクションに近いと見せかけていて、完全なるファンタジーを制作しているにすぎません…。
 「こうだったらよかった」「これならいいけど」というようなことを羅列して、それで物語や曲を作ったことはけっこう多いのです。
 なので、まあ。
 現実がこんなにも救いようのないものだったのか、ということは上手くカモフラージュされていて、そして、結局は美しい思い出としてよみがえる、という事になりましょう。
 私が、かつてA氏にどれほどの罵声を浴びせられたことか、と思うと、今でも手が震え、いやな汗が出ます。眠れなくもなります。
 結局のところ、私にとっての重大なトラウマとなっているわけで。
 なので、私は、「似た美しい出来事」で過去のつらすぎる記憶を上書きするしかなかった、という感じでしょうか。
 「なんだ、結局、A氏がぜんぶ悪いのか?」と問われるところですけれども、「ええ、その通りです」とお返ししたいと思います。この件に関しては。